IT 業界における人材など
ここ↓で『今求められるオープンソース人材像』というエントリから始まった議論を読んで、思うことを(ワンテンポ遅れていますけれど、書いておかないと忘れてしまうので)。
- 『未来のいつか/hyoshiokの日記』
必要な人材というのは、その産業の特性や方向性によって異なる。
IT 業界という括りだと大きすぎるので、少し対象範囲を絞る必要がある。自動車業界、家電業界においても、バリューチェーン内では必要とされる人材は異なるはず(メーカーには製造者としての、販社には販売者としての適性・資質が必要)。また、総花的に人材を抱えるのも得策でないように思える(自動車メーカーや家電メーカーは、製造そのものは、労働単価の低い国で行っているいるわけだし)。
linux は、キャズムにはまっているのかもしれない
次のくだりを読んだときに、なんの脈絡も根拠もなく linux (というキーワードで括られるもの) は、見事にキャズムにはまっているのかもしれないと思った。
Linux Worldという展示会があるけど、これをOpensource Worldというのにして、もっと広くやったら面白いものになるのだろうか?
Linux を広く普及させるために Open Source というアプローチが、はたしてよいのだろうか?という点をキャズム論に寄り添って考えてみるのも面白いかな、と。
なお、キャズムについては、ブログとの文脈で説明されているが、次のエントリに説明がある。
- ブログはキャズム(ハイテクの落とし穴)を越えてブレイクするのか?
書籍としては、これ↓。
- 作者: ジェフリー・ムーア,川又政治
- 出版社/メーカー: 翔泳社
- 発売日: 2002/01/23
- メディア: 単行本
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教育機関と産業界の連携については、政府が少し介入した方がよいのかも。
こうと書くと勘違いするかもしれないので、もう少し詳しく。まず、大学発の知財移転・技術移転を促進するように、産業界への税制優遇を手厚くする。政府が介入するのはここだけ。で、産業界はこの税制優遇で得られたメリットを、大学・研究機関への研究委託開発費として活用する。これにより、大学・研究機関は、純粋学問だけではなく、学際的/業際的な研究も行えるようになる。無論研究結果のやり取りだけではなく、人の交流がいまより進むわけだから、双方に短期的/中長期的に必要な人材育成が可能になる。
ちなみにこれは米国のモデル。99 年頃、米国の大学にいたときに、産学連携をコーディネートしている人から聞いた話がベース。無論、日本型のアプローチは、そのまま真似ればいいというものではない。
また、教育機関と産業・実業界という範囲で人材育成を考えるときも、バリューチェーン的視点で役割を考えないと、相互メリットが出てこないことになる(=話が前に進まない)。
インテグレータにいるのは「技術者」か?
少なくともここで議論されている「技術者」を育成する環境ではないのは確かであると、断言できるかと。インテグレータは、そもそも技術者が今後必要であるかについて、考えないといけない業界ですから。