インテグレータはサービス産業なのか、それともテクノロジー産業なのか?その2

mbkkurata ( http://d.hatena.ne.jp/mbkkurata/ )さん、コメントありがとうございます。せっかくなので、いただいたコメントを出発点として進めてみたいと思います。

まず、

インテグレータの業界というのは、結構労働集約的で同時に自らの持つ技術力の陳腐化スピードが速いというイメージがあります。(よって、多数の人間を抱えそれらを教育しつつ、海外のテクノロジー(メーカー)を常にカバーし続ける動きをする。)

という指摘は、僕が考えていた結論の一つです。これは、インテグレータのサービス産業的な要素を方針づける結論でもあるわけです。うまくまとめていただいて有難うございます(笑)

この文脈での課題は、インテグレータはテクノロジーを追い続けることが唯一の差異化要因であるかという点です。このあたりが、実は「インテグレータはサービス産業なのか、それともテクノロジー産業なのか?」という問いにつながっていたりします。労働集約性が高い=サービス産業と言えるのか?もしそうなら、インテグレータが参照すべきサービスモデルというのはなんだろうかという点です。

で、

このままいくと、産業の労働集約性はますます拡大していくような気が僕はしており、これを解決するにはインテグレータ同士の水平統合か、インテグレーションとかソリューションといわれる分野で大きな技術革新が起きることだと愚考しております。

という点については、労働集約性の拡大についてはその通りなのですが、水平統合が進むかどうかについては、ちょっと疑問もあります。というのは、少々話が変わりますが、インテグレータ業界は建設/ゼネコン業界に似ているのではという気がしているのです。労働集約性が高い産業であるという点、また、下請け/孫請けの慣習や、コンサルティング → 設計 → 構築 → メインテナンス/保守というビジネスフロー等もそうです(政府が多かれ少なかれ保護しているという点でも共通しているかも知れない)。

さらに類似性を感じるのは、建設/ゼネコン業界はなぜ水平統合が進まないのだろうか?と考えたときです。建設/ゼネコン業界がスケーラビリティという点で勝負できていないのはなぜでしょう?もしかすると、労働集約性の高い産業/業界でも、個々のスキルへの依存度が高い労働力を前提とする場合には水平統合が必ずしも成功要因にならないのかも知れないという点にあるかもしれません(または水平統合を成功要因に結びつかせなくする何かがあるのかもしれない)。そういう意味(=個々のスキルへの依存度が高い労働力を前提とする業容)では、水平統合というのが最適解ではないのではという気がしないでもない。

または、建設/ゼネコン業界同様に、実際のサービス内容を提供するのがアウトソーシング先(別の言い方では外注先)である状況が極限まで進んだとして(水平統合せずに、サービス提供主体をアウトソーシングする方がいろいろと都合がよい)、インテグレータ業界はどこに進んでいけばよいのでしょうか?ここで、インテグレータがコア・コンピタンスと考えるのはどこに進んでいくのか?それを考える際に、次の CNET 渡辺氏のブログ及びエキサイト山村社長のインタビューは興味深いように思えるし、もっと考えなくちゃいけないことがあるような気がします。