ピンクレディとKISS/Aerosmith/Rolling Stones。

今日はクリスマスイブ。ピンクレディがスマップの番組に出ていた。

その番組の中でピンクレディの二人が、彼女たちは現在、四十代後半なのでライブ(というかコンサート)をこなすのが体力的に結構大変なんですよというニュアンスで話しているシーンがあった(コンサートのMCでそれっぽいトークをしていた)。

このMCを聞いたときに、ふと、昔読んだ、ロックバンド KISS のインタビューを思い出した。そのインタビューは、割と最近のもので、メイクをしている KISS が再結成してからのことである(もしかするとずいぶん前のことかもしれない)。

KISS といえばメイクと共に派手なコスチュームで有名である。その影響を受けているのは、日本国内だと今はなき聖飢魔IIが判り易いかもしれない(古いか……)。

蝋人形の館’99

蝋人形の館’99

さらに、米国だと Funkaderic/Perliament が主体の、ジョージ・クリントン(米国前大統領ビル・クリントンとはまったく関係ない)率いる P-Funk 軍団がかなーり影響を受けている(P-Funk のホーンセクションにはジェームス・ブラウンのバックバンドを勤めていたメイシオ・パーカーやフレット・ウェズリーが所属していたり、同じくジェームス・ブラウンのバックバンド (J.B's) のリズムセクションブーツィー・コリンズもいたし、坂本龍一と競演したこともある天才キーボーディストバーニー・ウォレルも所属していた)。

One Nation Under a Groove

One Nation Under a Groove

Mothership Connection

Mothership Connection

P-Funk 軍団が KISS のコスチュームに影響を受けていることについては、その昔(ずいぶん昔)レコードコレクターに掲載されたジョージ・クリントンのインタビューで読んだことがある。

で、KISS といえばメイクと共に派手なコスチュームで有名である。インタビューによれば、彼らが着用するロンドンブーツは結構重量があるし(両足で 10kg 以上と書かれていたような気がする)、コスチュームそのものもブーツ並みに重量があって、ギターを弾きながら二時間以上あるライブでステージを駆け巡るのはかなりの体力を消耗するらしい(1999 年にアメリカでライブを見たときには、結構よれよれだった)。ちなみに KISS のメンバーは(おそらく)50 代後半である。

そういえば。Aerosmith も同じような年代である(おまけに、過去にはドラックで身体をボロボロにしているはず)。Eric Clapton の狡猾な老いぼれっぷりとは大違いで、Steven TylerJoe Perry も豚の角煮のような脂っこさはなくなりつつあるにしても、豚のハラミ串焼き並みの脂は残っているような気がする。そんな彼らは KISS と同じように二時間以上あるライブをこなしている。

Honkin on Bobo (W/Toy) (Keep) (Long)

Honkin on Bobo (W/Toy) (Keep) (Long)

さらには Rolling Stones である。彼らはもしかして 60 代中盤(=年金もらっていてもおかしくない)に差し掛かっているかも知れない。彼らは豚のハラミほどの脂っこさはないにしても、減塩ベーコンなみのねとねと感はまだまだあるように思えるときがある(5年ぐらい前の東京ドームライブの時にはそんな感じだった)。そんな彼らは、まちがっても年金の話をしそうにはない(まあ、年金がなくても生きていける人たちだが……)。

Live Licks

Live Licks

日本で KISS/Aerosmith/Rolling Stones に匹敵するほどにエネルギッシュさを感じさせるミュージシャンは誰がいるのだろう、やっぱりそういう人たちっていないよな、それってやっぱり戦争に負けたからかな……とピンクレディが往年のヒット曲を歌っているときに、ふと、思ったりしてちょっと悲しくなった、というのが、今年のクリスマスイブの一シーン。