"BLOG ON BUSINESS"

先週の金曜日にいただいた、刷り上ったばかりで今はまだ世界に数冊しかないというシックス・アパート株式会社が編集した、『ブログ・オン・ビジネス 企業のためのブログ・マーケティング』を読んだ。

どういう本かというと、まえがきにも書かれている通り、「『ブログをマーケティングに活用したい』と考えている人たちに向けて」作られた本である。

そのエッセンスが一番詰まっているのが、第一章のシックス・アパート代表取締役関氏の最後のまとめだろう。いささか長いが引用してみる。

(1) 今までの企業ホームページといったいなにが違うのか、わからない

  • ブログは、来訪者(顧客や潜在顧客)とコミュニケーションする Web サイト。従来のマスメディアとは異なり、顧客との双方向コミュニケーションを実現できるため、企業と顧客の間で、シンパシーや価値観の共有を通じて、自社の強力なファン(支援者)を育てていくことが可能です。

(2) ブログを立ち上げるとしても、誰に何を書かせればいいのか、わからない

  • 社員は日々、顧客や潜在顧客とさまざまな形でコミュニケーションしているはずです。ブログを使ったコミュニケーションも、従来の顧客とのコミュニケーションの延長線上に位置づけられるべきでしょう。企業ホームページを含め、従来のマスメディアを使ったマーケティングの多くが一方向のコミュニケーションだったのに対して、ブログによるコミュニケーションは「双方向」であり、顧客は企業からのレスポンスを期待している、ということに注意するべきでしょう。

(3) そもそも、ブログを立ち上げるとどんな効果が上がるのか、わからない

  • 企業はブログのどこで失敗するのか、さんざん書いてきましたが、一方で、ブログは非常に低コストでそして迅速に始められます。もたもたしていてはダメです。失敗を恐れず、しかし論理的に考え抜いて、ブログをスタートしてみてください。

企業がブログをつかってマーケティングをしていく際に、どこから始めて、何を考えなければいけなくて、じゃあ、実際に考えなくちゃならない時に参考になるケーススタディやすぐ使える事例カタログなんかも載っていて、コンパクトに手頃にまとまっている。読んだだけじゃあビジネスブログのイメージが沸きにくければ、事例が100社(ブログ)載っているわけだから、ここから手当たり次第に見ていけばいいわけだし。あと、シックス・アパートの歴史も、ぼくは知らなかったので、面白かったかな。シックス・アパートってそういう意味だったんだと ("Named for the number of days between Ben and my birth dates, we intended for Six Apart to remain a small partnership between us.")。

惜しむらくは、掲載されている4つのケーススタディというか、取り上げられている業界がメディア系に偏っていることかと。ビジネスブログはまだ黎明期にあるので、仕方ないことだけれど。むしろ、こういった書籍に取り上げられるケーススタディが様々な分野から選ばれるようになったら、ビジネスブログが汎用性の高いマーケティングツールになるということだろうから、まだこれからだということで。